歴史まとめ

にわか覚えの歴史記事がまた1ページ

ペラジア

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今からおよそ6,500万年前の白亜紀末 (中生代の終わり) に、それまで繁栄していた恐竜に壊滅的な打撃を与えた大量絶滅が起こりました。この大量絶滅が起こった時期の化石記録を調べた近年の研究によって、魚類では海の表層域(200m以浅:地球の表面積の約3分の2を占める)に生息する大型の捕食性魚類が選択的に絶滅したことが明らかになっています。また、これら絶滅した大型の捕食性魚類は、現在のマグロやカジキのなかまが占める生態的地位 (ニッチ) と同じ地位を占めていたことが、化石の形態を詳細に調べることにより判明していました。つまり、海の表層域で他の魚類やイカ類を食べて生活するという生態的地位 (高次捕食者) を占める魚類が、6,500万年前にいなくなってしましました(生態的地位の空白)。一般に、 生態的地位に空白が生じると、それを埋めるように急速な種分化 (適応放散) が起こると言われています。しかし、研究対象としている分類群がほんとうに適応放散を起こしたのか、また、それはどのようなタイミングで起こったかを示すためには、信頼できる系統樹を得ることが必須です。サバ科魚類の起源と進化の道筋を明らかにして系統樹を得、その系統樹に時間軸を入れることができれば、過去に起こった絶滅との関連で、海の表層域における適応放散の実態を高い確度で明らかにすることができると期待されます。


今回の研究により新たに認識された分類群「ペラジア」に含まれる魚類は、海の表中層 (0~1000m) に生息する捕食型の遊泳性魚類であるという共通の生態的特徴をもっています。また、系統樹上で過去の生息水深を推定した結果、その祖先は400 mほどの深海に生息していた可能性が高いことも示されました。一方、既存の分類体系は、形態の類似性を頼りにサバ科魚類とその近縁魚類を6つもの亜目に分類してきましたが、進化の歴史をより反映させるため、今後大きな見直しが必要になります。

白亜紀末の大絶滅は捕食性の大型表層性魚類を選択的に絶滅させました。その結果、外洋表層域の生態的地位 (ニッチ) に大きな空白ができ、深海で生き延びたペラジアの祖先が、そこに適応放散することによってマグロ・カツオ・サバ類を含むさまざまな外洋性魚類を生んだものと考えられます。

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参考

www.aori.u-tokyo.ac.jp

https://en.wikipedia.org/wiki/Pelagic_fishen.wikipedia.org